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うおかわななみの日々戯言。腐発言あり。
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吉村昭は好きな作家なので、以前この本を読もうと思った事があったのだけれど、その時には本の在庫が無くてスルーしてました。
今回の災害を受けて増刷されたので早速購入。
明治29年、昭和8年、昭和35年。三陸海岸を襲った津波の被害を詳しく調べて語ってある。連日ニュースで耳にする被災地と同じ地名が並んでいる。
ゾッとした。
以前興味を持った時に読んだなら、きっと現実感も薄く、東北地方の過去の出来事としてしか頭の片隅に残らなかったと思う。
何度も繰り返し津波に襲われ、数万、数千の死者を出して来た三陸海岸。過去の被害とその時に行われた救援救助の記録が、今読むことでリアルに感じられた。同じことが過去に起きていた事実に驚愕する。
今回の災害は、古今和歌集から例えられたか何だかで「千年に一度の大津波」と聞いていた。しかし現実には何度も津波は押し寄せている。
書の終わりの方には、被災に学んで堤防が築かれ、近年になる度に被害は少なくなっていると綴られている。だが、これからも三陸海岸は津波被害を繰り返す土地だと書かれている。
吉村氏がまだご存命だったなら、この度の三陸海岸を大津波が襲った事をどう感じられただろうか。
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